Mountain Kuma’s Blog

Mountain Kuma’s Blog

山登り好きな循環器内科医のブログです。

快晴強風の常念岳東尾根

 

 

2月下旬に常念岳東尾根に行ってきました。

1年前の3月にも同ルートで常念岳を目指し、テントを忘れるという自分登山史上最悪の忘れ物をして敗退したという苦い記憶を持つルートのリベンジです。

常念岳は勤務先からも毎日見ている山なので、ぜひとも積雪期に登りたくリトライしてきました。

 

予報では快晴ですが、強風予報。

史上稀に見る暖冬のなか厳冬期とはいえ厳冬期と言い切れない常念岳はどのような山だったのでしょうか?

DAY1

f:id:Mountain-Kuma:20200323201728j:plain

朝5時50分、須砂戸ゲートを越えて出発。暖冬ですがこの日はうっすら雪が舞う中スタートしました。

f:id:Mountain-Kuma:20200323202515j:plain

林道歩きをしている最中に夜が明けた。翌日の下山時にはほとんど雪がなくなっていたが、この日はうっすらと積雪しており、中には凍結した路面もあり。

f:id:Mountain-Kuma:20200323202729j:plain

バリエーションルートとは思えないぐらいわかりやすい入り口

f:id:Mountain-Kuma:20200323202627j:plain

f:id:Mountain-Kuma:20200323202842j:plain

鉄塔から先は笹藪ルート。この日は気温が高く袖をまくって登っていたが、うっすら雪が積もっているせいで笹藪に乗った雪が降り注いで冷たくかなり不快。

f:id:Mountain-Kuma:20200323203042j:plain

ひたすら笹藪を登り....

f:id:Mountain-Kuma:20200323204706j:plain

この日は暴風雪予報のため1955m峰を越えると樹林帯にもかかわらず地吹雪が頻発。風が強い感じ、この写真で伝わりますかね。

f:id:Mountain-Kuma:20200323203921j:plain

2178m峰を越えたコルでテント設営。本当は前常念岳が見える森林限界ギリギリにテントを張りたかったけど、強風予報のため安全をとって樹林帯にテントを張りました。

f:id:Mountain-Kuma:20200323203927j:plain

トイレまでの路

初日は強風をさけて樹林帯でテント設営。

時間があったのでトイレをしっかり作るなど快適なテント場を作成。

夕方頃晴れてきたので前常念岳を見に行こうかとも思いましたが、すでにトレースは埋まっておりダウンシューズで歩けるレベルではないため、改めて登山靴を履くのもめんどくさく、テントでごろごろして早めに寝ました。

 

DAY2

翌朝3時起床。テント内は呼気で凍結しているがさほど寒くはない。

パスタ、パン、チーズを食べて4時には出発。

f:id:Mountain-Kuma:20200323203944j:plain

翌朝4時に出発。3:30出発での山頂ご来光も検討しましたが、強風の中でのご来光待ちはつらいと判断。実際に山頂に登った感じではこのときの判断は正解でした。

1日目は暴風雪のためにすれ違った人全員が敗退していました。そのため2日目のアタック日はうっすらとしたトレースはあるものの基本的に山頂までの全行程がラッセルでした。

f:id:Mountain-Kuma:20200323205249j:plain

ご来光直前。登ってきたルートを振り返って。強風の感じが伝わるでしょうか?

2日目は本当に風が強く快晴ではあったものの地吹雪のためにほとんど前が見えず、トレースも残っていないのでルートファインディングが大変でした。

厳冬期とはいえ暖冬なのであまり期待していませんでしたが、ルートファインディングしながらラッセルをし、ときには耐風姿勢で強風をしのぎながら登る雪山は久しぶりで楽しかったです。

f:id:Mountain-Kuma:20200323205649j:plain

常念岳まで来ると穂高連峰が神々しくお出迎え

f:id:Mountain-Kuma:20200323210617j:plain

前常念まで来ると目的の常念岳がはっきりとみえます。

f:id:Mountain-Kuma:20200323210350j:plain

夜明け直前。八ヶ岳と富士山と松本の町並み?

f:id:Mountain-Kuma:20200323210406j:plain

f:id:Mountain-Kuma:20200323210503j:plain

f:id:Mountain-Kuma:20200323210522j:plain

ご来光

f:id:Mountain-Kuma:20200323210715j:plain

常念岳のモルゲンロートは手前のピークでイマイチの写真に

f:id:Mountain-Kuma:20200323210731j:plain

常念岳山頂まであと少し! なかなかの急登でカリカリしてましたが、気温がそこまで低くないので、アイゼンはしっかり効く感じ。 本当の厳冬期ならアイスバーンで怖いんだろうなぁと思いました。

f:id:Mountain-Kuma:20200323210930j:plain

常念岳に登頂!穂高岳槍ヶ岳もばっちり。

f:id:Mountain-Kuma:20200323210951j:plain

槍ヶ岳と影常念岳

f:id:Mountain-Kuma:20200323211002j:plain

f:id:Mountain-Kuma:20200323211122j:plain

南は乗鞍、御嶽から...

f:id:Mountain-Kuma:20200323211128j:plain

北は白馬連峰まで全部見えました。

f:id:Mountain-Kuma:20200323211306j:plain

この日は終始強風のため、絶景ですがさっさと下山。

f:id:Mountain-Kuma:20200323211259j:plain

f:id:Mountain-Kuma:20200323211445j:plain

森林限界手前から前常念方向を振り返って

この日はずっと先頭を歩いていたので終始ラッセルでしたが、その後大勢登ってきたので下山時にはしっかりとトレースがついていました。

何人かの方に「トレースありがとうございました」と言われてなんだかうれしかったです。

 

この後はテントを回収してさっさと下山へ。

下の方は気温が高く1日目よりも明らかに融雪していました。

f:id:Mountain-Kuma:20200323211742j:plain

須砂戸ゲート手前から常念岳を振り返って。たった5時間前まであの山頂に立っていたと思うと不思議な気持ちになりました。



まとめ

昨年3月に常念岳東尾根に登ろうとして、いざテントを張ろうとしたらポールが間違っていることが判明し、止むを得ず下山してきた苦い思い出のある山(テント泊でこんな失態をしたのは後にも先にもこの時が唯一)。

厳冬期らしから雪の少なさでしたが、前日、1日目は降雪があり、そこからの強風快晴の山頂アタックで満足の登山でした。自分でトレースをつけられたのが満足です。

気がつけば今年初めてのテント泊。久々の重装備で最後の方は肩が痛かったのが反省点。
ちゃんとトレーニングしないといけないなぁと思いました。