Mountain Kuma’s Blog

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山登り好きな循環器内科医のブログです。

夜叉神峠から鳳凰三山日帰りピストン

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 3月の3連休で夜叉神峠から鳳凰三山を日帰りピストンしてきました。

本来は高所順応をかねて昨年強風で敗退した富士山に行く予定でした。
前泊して未明から登るために富士山に向かっている最中にヤマテンの天気予報をみると風速28m/s予報。前日の段階から強風予報だったが弱まるだろうと楽天的に考えていたがまさかの強風悪化。昨年の敗退の経験からは富士山での風速28m/s予報はやばそう。結局トライしてもまた敗退するだろうし、最悪滑落の可能性もある。
PAでいろいろと悩んだ結果、鳳凰三山に変更することにしました。

鳳凰三山百名山だからいつかは登りたいと思っていた山だし、富士山に登るつもりで入れていた気合いも標準コースタイム14時間半の行程であれば受け止めてくれるであろうと、いろいろと自分を納得させて...。
西風が強い予報だから鳳凰三山なら白峰三山が守ってくれるしね・・・。

アクセス

自家用車で夜叉神峠駐車場までアクセス
駐車場は3連休のためか結構停まってました。

駐車場のトイレは男女共用で一つだけ開いてます。
一応、紙もありましたが残りわずかで補充されるかもわからないので持参した方が無難です。
電気はつきました。手洗いは使えません。

 

登山データ

出発時刻/高度: 01:59 / 1384m
到着時刻/高度: 14:40 / 1374m
合計時間: 12時間41分
合計距離: 23.75km
最高点の標高: 2807m
最低点の標高: 1360m
累積標高(上り): 2040m
累積標高(下り): 2050m

 

コース状況

夜叉神峠の少し手前から雪が出てきますが、この辺りはツボ足で問題ありません。

夜叉神峠~杖立峠の途中がアイスバーンなっているためチェーンスパイクをお勧めします。アイゼンでもいいですが、アイゼンの爪は削られるでしょう。

杖立峠から先はアイゼンでも問題ないぐらい積雪がありました。
ここから観音岳まではトレースばっちりで完全に雪道になっているので歩きやすいです。

南御室小屋にはテント村ができてました。外トイレもあり、使わせていただきました。
樹林帯ですが昼間は日当たりも良くいいところですね。

南御室小屋から薬師への最初の登りが急なので、ここでアイゼンをつけた方がいいと思います。

森林限界を超えて以降は花崗岩特有の白砂が出ている箇所もあります。
観音岳までは明瞭なトレースがあり、危険箇所もないためピッケルは不要です。

観音岳地蔵岳は登山者が少なく、トレースはあるものの一部途切れていたり、短い距離ながら膝ラッセルとなる場所もあります。一部登山道がわかりにくくなっている場所もあり注意です。
個人的には観音岳までは余裕がありましたし、観音岳からみた地蔵岳は近そうに見えたのですが、観音岳地蔵岳間のピストンでかなり体力を持って行かれました...。

 

登山内容

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登山口。AM2時スタート。 鳳凰三山は初めてなので、ここから登るのも初めて。

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夜叉神峠小屋 ここまでコースタイム1時間 標高差400mでコースタイム1時間って結構厳しくないですか? ほぼコースタイム通りだったので、この先13時間以上かかるのかと途方に暮れる。

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夜叉神峠の看板 このときはなにげなく撮ったけど、下山時に絶景が待っていてびっくり。

この先、苺平までの稜線がガチガチに凍結しており、チェーンスパイクをつけました。
昼頃の下山時でも同様だったので一日中凍結しているみたいです。

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南御室小屋に到着

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外トイレあり。要チップです。男の小便所はワイルドスタイルです。 大便所はみてないですが、おそらく紙は必要でしょう。

南御室小屋からの出だしで急な坂道があるので、ここでアイゼンつけるのがベストだと思います。その先はあまりアイゼンのありがたみのあるような急坂は少ないですが。

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森林限界に出ると白峰三山がお出迎え

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花崗岩特有の白砂を歩かされることも多々あり。

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富士山はどこにいるでしょうか? 快晴なのに強風のためか春霞で富士山はっきり見えず・・・。 実は本当は本日富士山に登るつもりが、強風予報だったので急遽鳳凰三山に変更したのです。

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薬師岳小屋  はじめてきましたがいいところに建ってますね。 夏にも一度来てみたいと思いました。

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強風でしたが気温が低くないので、この日はハードシェルなしでアークテリクスのプロトンFLで登りましたが特に問題なし。 プロトンFLは防風性、防寒性、透湿性のバランスがよく、おすすめです。

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鳳凰三山1座目 薬師岳 白峰三山がきれいに見えます。 広々とした山頂で風がなければのんびり出来そう。

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薬師岳は素通りで観音岳

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八ヶ岳 いつも北西か西からしか見ていないので、南西からみる八ヶ岳は新鮮でした。

この角度からみると八ヶ岳がぎゅっと集まって確かに一つの山に見えますね。八ヶ岳と富士山の争いはご存じですか?

昔、八ヶ岳は富士山よりも高かったけど、富士山が起こって八ヶ岳の頭をたたいたら八つに割れたらしいですよ。

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観音岳山頂からみた地蔵岳 赤抜沢ノ頭とオベリスク、その後には甲斐駒ヶ岳

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観音岳標識 ここは風下で暖かいので休憩しました。

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赤抜沢ノ頭とオベリスク   観音岳からみた地蔵岳は近そうだったのに意外に遠くて道も悪く強風もでてきてつらかった・・・。

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地蔵岳まで行く人は少ないらしく雪山らしい感じになります。

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オベリスク

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地蔵岳山頂?  地蔵がいっぱいあるが、岳というよりもコル。地蔵の後ろには甲斐駒ヶ岳があっていい感じ。

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さすがにコルが山頂ではないだろうと、もう少しオベリスクに近づくとさらに一体地蔵を発見。 地蔵岳という看板は発見できず。これ以上オベリスクに登るのは大変そうだし、見える範囲無いには標識がないので、勝手にココを地蔵岳ということにした(後日調べるともう少し鳳凰小屋方向に回り込むと標識があるらしい)。

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自称地蔵岳山頂にて

というわけで、ここが山頂ということにして、引き返しました。

すでにこのときにはかなり疲れていたので、風も強いし、下山はあまり写真も撮らずにさっさと降りました。

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下山は疲れてたのでほとんど写真ありません。いきなり夜叉神峠へ。 登りは真っ暗でわからなかったけど、ここは白峰三山をみるベストスポットでした。おそらくここまでだけと思われるハイキングの人達を大勢見かけました。

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確かにこの景色は見に来る価値はありますね。 駐車場から1時間だし。



まとめ

結果的には予報通り昼前には鳳凰三山でもかなりの強風になりました。


ヤマテン予報では18m/sでしたが、体感もそのぐらいだったので、富士山に行かなくて良かったかなと思ってます。

鳳凰三山のヤマレコを調べると夜叉神峠からはほとんどが観音岳までで地蔵岳まで行くレポは少数派でした(観音岳が最高峰だから?)。
でも鳳凰三山というくらいだから三山とも登りたかったし、富士山敗退の悔しさを払拭するためにも、10時には引き返そうと決めて2時スタートで地蔵岳を目指しました。

観音岳まではわりと余力を残していましたが、そこから先がつらかった。
最近は体力的にきつい登山をしてなかったから久々にきつかったですが、充実した登山ができて景色も最高で大満足でした。

帰宅後は片付けもそこそこに12時間ぐらい寝ました(^_^;)